消灯時間を過ぎたあと、寮を抜け出して校門に走る。

するとそこには、すでに響くんの姿があった。



黒いジャージが闇に同化して、近づくまでその存在に気づかなかった。



「もう……。もし先生に見つかったら、ぜんぶ響くんのせいにしますからね?」



本当に…。

押しに弱い自分に、いい加減嫌気がさしてくる。



「わかってるって。はじめからそのつもりだから」



闇に落ちた校門の前には、向かい合って立つ私と響くんの2人だけ。



「で……わざわざ寮を抜け出してまで話したいことってなんですか?」