「ありがとう…」
もう少し、考えてみようかな。
九折くんのことは優しいし話しやすいし嫌いじゃない。
付き合うふりっていうのも、響くんにつきまとわれたりしないから都合がいい。
だけど、九折くんの気持ちには応えることはできないから。
ただ、九折くんを傷つけてしまうだけなんじゃないかって思うから。
モヤモヤした気持ちのまま夕飯をすませ、奈央ちゃんとお風呂へ。
そのあとは1時間の勉強の時間だ。
だけど勉強をしなくたってバレることはないから、私はいつものようにスマホを眺める。
そのとき、ちょうどラインのメッセージが入ってきた。
『今日の夜会えない?』
響くんからだ。


