「あいつ、なんなんだよ、言いたい放題言いやがって」

つばさ先輩が、ゲンナリしたように愚痴る。

確かに小学3年生とかの例えは、ひどいというか何というか。

だけど、つばさ先輩と顔を見合わせて、プッて笑いあった。

目を細めて優しく私を見ている彼がいつにも増して、かっこよくてドキドキする。

つばさ先輩が、やっぱり好きだな、って思う。

「ごめん、俺が君のことを岳に話したから、会ってみたいって言ってさ。まさか勝手に話しかけるとか思わなかった」

「私のこと、話したんですか?なんて?」

それを彼の口からはっきり聞きたくて、思い切って確認してみる。

「彼女できたからって言った」

やった、そうだよね。何かの間違いではなかったんだ。私は、彼の彼女。

かのじょ、ってなんていい響き。