「あれ、大丈夫か?お前のほうが俺より怖がられてない?」

大谷さんが、私達二人を笑いを抑えたような顔で見ている。

「うるさい、俺はお前と違って女の子には好かれるんだよ。それにこの子は、まだ慣れてないだけだから」

「ふーん、慣れる前に逃げられるんじゃねーの。いつもみたいに」

「・・・・・」

「いつも、顔だけでいくらでも女子が寄ってくるけど、長続きしないもんな、つばさは」

大谷さんは、つばさ先輩をからかうようにとんでもないことを口にする。

ううっ、やっぱりつばさ先輩は、凄くモテるんだろうな。

「よ、余計なこと言ってないで、早く練習戻れよな」

「あ、あの私・・・」

私は、いきなり二人の会話に割って入っていた。つばさ先輩の手をギュッと強く握る。