先輩の彼女にしてもらいました

友達って時田くんが言うたびに、その言葉に甘えてしまっている私がいて、本当は申し訳ない気持ちがある。

だって、彼はしょっちゅう私をかばってくれているけど、私はその10分の1もお返しできていない。

「それとさ、言いたくないけどこんなこと」

ポケットから、スマホを取り出した時田くんは、小さくため息をつく。

そのスマホには見覚えがあって、でも信じられない気持ちで固まってしまう。

「え?そのスマホ、そのストラップってつばさ先輩のだよね?」

手作りっぽいバスケットボールのストラップには見覚えがあった。

ご丁寧に、TUBASAって刺繍までついていて、絶対女の子からのプレゼントだろうなって思っていた。

時田君は無表情でそのスマホを操作し始めたので、焦った。