先輩の彼女にしてもらいました

「さあね、お前のこと利用しょうとでもしてんじゃねーの。いい加減、気づけよな、お前はいろいろ鈍いんだよ」

「な、なにそれ、利用って何?鈍いとかひどい」

「鈍いだろ、お前さ、男がお前のことどんな風に見てるかって、ちゃんと理解してないと、そのうち痛い目に合うぞ」

強い口調で時田くんに忠告される。

「・・・・・・」

言い返そうとしたけど、言葉が見つからなくて、俯いた。

彼が、私を心配してくれてあえて言いにくいことを言ってくれているのがわかっていたから反論できない。

時田くんの足元だけが視界に映る。

少し間をおいて、時田くんはポツリと小さな声で呟いた。

「ごめん・・・」

「ううん、いいよ、謝らなくて」

「今の言い過ぎたよ、悪かった」

時田くんは、照れくさそうに謝ってくれる。

「私のほうこそ、いつもごめんね。時田君に庇ってもらってばかりで迷惑かけてる」

「いや、そんなの別にいいよ、俺ら友達だろ」

気まずい雰囲気にならないようにか、彼は優しく笑ってくれる。

「・・・うん」