きっとすごく楽しいだろうな。

この前、シュートを一緒にしたときみたいに。

って、そんなわけないか。そろそろ帰ろうかな。

ううん、もうちょっとだけ。でもこれ以上長くいたら見つかっちゃって気まずくなるかもしれないし。

でも、練習に夢中な先輩は幸か不幸か、私に気づく様子が全然ない。

さっき先輩が私の数メートル前を走っていたから、もしかしたら気づかれるかもって思ったけど、大丈夫だった。

気づかれたくないって思っているくせに、気づいてもらえないことがちょっと寂しくもあり、私って何なんだろこの気持ちは。

「うわー、まただよあの女子マネ、うっざーい」