「時田くんからも昨日電話があったの?彼もしぶといなぁ、すずなちゃん、早くトドメをさしてあげたら?」

沙織ちゃんが意味ありげにニヤニヤしている。

「トドメって、沙織ちゃんったら」

あれからも時田くんは変わらず友達として、接してくれている。

私も以前と全く同じというわけにはいかないけれど、普通に話すことが出来た。

「ま、生殺し状態が、心地いいのかもね、時田くんは。つばさ先輩がいたら手も足も出ないんだから


「もうっ、何言ってんの、沙織ちゃんっ」

沙織ちゃんに軽く文句を言おうとしたら、スマホに着信があって、見ると時田くんからだ。

「蒼井、もうすぐ試合始まるよ、見てる?」

「うん、沙織ちゃんやみんなと見てるよ」