急に冷や汗が出てきて、手も震えだす。

「蒼井さんっ」

私の異変に驚いた先輩は、慌てて起き上がり私の肩を抱きよせてくれた。

ギュッと目をつぶり胸に手をやった。

呼吸は苦しくはない、だけど、胸の奥が、苦しい。

まだ、こんな風に動揺してしまうなんて。

ラインのトーク画面にはアキちゃんからのメッセージが、届いている。

それを開くことがどうしてもできない。怖くて動けない。

「大丈夫だよ、俺、ここにいるから」

「先輩」

大丈夫って、何度も呪文のように繰り返し言ってくれる彼の腕を強く掴んでいた。

「見てみる?」

「う、うん、一緒に見てください、先輩」

「うん」

恐る恐る、メッセージを開けてみる。先輩がいるから、今は先輩がそばにいてくれるからって言い聞かせて、どんなひどいことが書いてあったとしても、大丈夫だと思った。