先輩の彼女にしてもらいました

だって、全国大会が始まる前からつばさ先輩はネットや雑誌なんかでも、注目されて女子高生達がSNSで、騒ぎ始めていた。

そりゃ、こんな超イケメンで、バスケも上手かったら最高だもんね。

だけど、こんな私の嫉妬なんて、今の先輩にとってはあまりにも低レベルな話。

「ごめんなさい」

「・・・」

彼が黙っているので、そっと指の間から見てみると、驚いているような表情をしている。

「そっか、そんな心配してるんだ。やっぱちゃんと聞いてみないとわからないもんだな。」

だけど、怒っているわけでも呆れている風でもない。むしろ、嬉しそうに目を細めている。

「そうやって可愛いことばかり言うんだからな、蒼井さんには、かなわないな」