先輩の彼女にしてもらいました

「そんなの、まだずっと先のことだよ、蒼井さんはもっと俺に、わがまま言っていいんだよ」

「うん」

いつの頃からだろう、なんでも我慢するのが当たり前になっていた。

自分一人、辛抱していたら周りの人に迷惑をかけないからって。

先輩に対しても、まだ少し遠慮してしまう。だけど少しづつこうして、彼は私の心を溶かしていってくれる。

「じゃ、じゃあ言いますね」

私は彼の綺麗な瞳をじっと見つめて思い切って打ち明ける。

「本当は、凄く凄く寂しいです、それに不安です。先輩の追っかけの女子ファンの人達が私の知らないところで先輩を応援しにくるでしょ。実はそれが一番・・」

最後まで言えなくて、手で顔を隠した。

恥ずかしい、こんな嫉妬まるだしのことを吐露してしまって。