先輩の彼女にしてもらいました

「いこうか、5キロくらいいける?」

「はい」

先輩と並んで、ようやく走り始めた。

ああ、先輩と走るのは凄く、気持ちがいい、夕方の空気もいつもよりも澄んでいるように感じる。

私に合わせてくれたのか、わりとゆっくりめに5キロほど走って、休憩がてらうちの近所の公園に行き、ベンチに座った。

「明日から、宿泊先へ移動するんですよね」

「うん」

8月上旬から1週間ほど、バスケのインターハイの全国大会は開催される。今年は遠くの県で、行われるので、バスケ部は明日から宿泊先へ移動するのだ。

だから、明日からはしばらくまた先輩には会えなくなってしまう。

「一緒には行けないけど、私、テレビの前でいっぱい応援しますね」

ほんとは、会えなくて寂しいって言いたい気持ちをグッと我慢した。