先輩の彼女にしてもらいました



「せんぱーい」

社宅を出たところの街灯の下で待っていた彼に手を振って駆け寄る。

トレーニングウエアを着た先輩は、うちまで走ってきたのか首にかけたタオルで汗をふいていた。

3日振りに見る彼の笑顔は爽やかで、私の心を優しく包み込んでくれる。

先輩は、照れくさそうに私を見て首の後ろに手をやる。

「もう体は大丈夫?」

「はい、もうすっかり、元気です」

甘えるように、ニコニコ笑うと、先輩が横を向いてぼそっと呟く。

「今日も、可愛いな」

「あ、ありがとうございます」

突然、褒められて恥ずかしくて口元を隠した。

ダメだ、顔がにやけてしまう。

たった2日間会えなかっただけなのに、私ったら先輩が恋しくて恋しくたまらなかった。

会いたいって、電話したらトレーニングがてら彼は会いに来てくれた。