「先輩、ごめんなさい、どうしょう」

「とりあえず、そこ、降りてくれる?動ける?」

「は、はい」

体がだるくて立ち上がれなくて、這いつくばるようにして先輩の上から降りた。

「ごめんね、先輩、重かったでしょ」

「大丈夫だよ、イテテ」

先輩は上体を起こしながら、倒れてきていた脚立を元の位置にして立たせた。

だけど、背中が痛いのか何度もさすっている。

「やっぱり、グラグラしてて危ないな、これ」

「先輩、ごめんなさい、ケガしてませんか?」

「平気平気、それより蒼井さんのほうが、大変だ」

私は起き上がれなくて、仰向けになっていた。

「早くでよう。保健室まで運ぶから」

言って、彼は私をおぶって体育倉庫を出て、保健室へ向かった。