俺をそんな風に動揺させられるのは、2つ年下の彼女のこと以外にあり得ない。

こんなに、彼女の存在が自分の中で大きくなっていたのにも、驚いていたけれど、俺という人間が、こんなにもポンコツなのかと気付かされ、ショックだった。

なんて脆いやつ、こんなに情けないやつだったのか、俺は。

多分、俺の顔を見て一瞬で、異変を察知した岳は、俺に気合をいれるために叩いてくれたんだと思う。

まあ、その瞬間にはわかるはずもなかったけれど。

俺は顔の左側の痛みと共に我に返って、なんとか試合にでることができた。

後半残り少しのあたりで、交代させられるまで、なんとか闘えたのは岳や、仲間達が俺を支えてくれたからだ。