やっぱり、先輩はその場のノリであんなこと言ったんだ。キスしてくれたのも、ただの勢いだったのかも。

だって、だって

待てど暮らせど、連絡がこない。ラインも電話も来ないし会いに来てもくれない。クラスだって別れ際に教えておいたのにな。

私はあの数あるラインアドレスの女子達の1人で、未読スルー程度の扱いなんだろうな。

「まあ、そうだよね。私なんて本気で相手にしてもらえないよね」

昼休み、沙織ちゃんに、また愚痴を言ってしまう。

「えー、そんなことないよ。だって橘先輩と付き合うことになったんでしょ?」

「うん、そのつもりだったんだけどなにかの間違いだったのかなって。だって、ラインも未読のまんまだし」

「橘先輩て、3年で一番モテてる人って聞いてるよ、バスケ部だったら時田くんが詳しく知ってるかもしれないよ」