なるべく他の人のアドレスを見ないようにしていたけれど、私のアドレス帳の10倍の人数は入っていて、しかも女子が多い。

たくさんメッセージが来ている割には、未読がやたら多い気もした。

私にここまで勝手にスマホを見られているにもかかわらず先輩は楽しそうに一人で、いろんなシュートの練習をしていた。

私はというと、この違和感には目を瞑り先輩とアドレス交換したことが嬉しくて嬉しくて、浮かれていた。

だって、ラインに憧れのつはさ先輩のアドレスを登録できただけで嬉しかったから。

もうそれだけで、胸がいっぱいだった。

そう、その時はまだふわふわと夢の中にいるような気分だったのだけど、数日たってだんだんと頭が冷静な思考能力を回復してきた。