最後まで言い終わらないうちに、先輩の唇が重なり口を塞がれる。

うそーっ、今度は先輩から?

先輩に強く抱き寄せられて、息もできないくらいに、キスをされた。

先輩のキスは初心者の私には少し濃厚すぎるキスだった。

彼は、体育館の床にペタリと腰を下ろしていた。

私はというと座っている彼にすっぽり包まれていて、もうなにがどうなっているのかわからなかった。

「好きです。先輩」

「うん」

茫然としているみたいだった彼は、また私を強く抱きよせた。

私も彼の背中に手をまわしてギュッとする。

男の人とキスするのも抱き合うのも私にとっては生まれて初めてのこと。

ましてや、自分からキスするなんて。

それに告白するつもりなんて微塵もなかったはずなのに、どうして?