恥ずかしさのあまり、早口にしゃべりだす私の心臓はバクバク鳴って壊れるんじゃないかと思った。

だって、桜さんが戻ってくるかもしれないし、ほかの部員の人だって入ってくるかもしれないのに。

「少しの時間くらいサボッても大丈夫だよ、次も必ず勝つよ、約束する」

私の目を見て力強く宣言する先輩は、今度は私の手の甲にもキスをしてきたので、動揺を抑えるのに必死だった。

「だ、誰かがきちゃうかもしれないです。せんぱっ」

「シーッ」

先輩は、人差し指を口にあてて、いたずらっぽく笑う。

「今度の試合に勝てるように、俺に力を補給させてくれる?」

「は、はい。私にできることならなんでもします」

先輩の言っている意味が分からなくてますます、心臓がドキドキして少し体が震えてしまう。