先輩がゆっくり私を下ろすときに、私の胸が彼の顔に触れるんじゃないかとドキドキした。

彼は片膝を床につくと、慎重に私を下ろした。

地面に足がつくと急に寂しくなる。

先輩から離れたくなくて。

まだくっついていたくて。

先輩が立ち上がろうとして体を離したときに、私は彼の両肩に手をおいていた。

彼が少し顔を上げた時に、私が彼を見下ろす形で顔が近くにあって、そのまま彼の薄くて形のいい唇に、くちづけした。

先輩が大好き、大好き。

その唇の柔らかさに、ウットリする。

どのくらいの時間、唇を重ねていただろう。

多分、5秒くらいかな。

けど、ハッと我に返ってすぐに離れる。

自分が何をしたのか信じられない。

「先輩、ごめ‥んなさ‥‥」

ど、どうしょう、私ったら先輩になんてことするの。

もう、ダメだ絶対に軽蔑される。