先輩の彼女にしてもらいました

彼女の口から、ただ単に初めてって言葉を聞きたいだけっていう男心を知ってか知らずか、彼女は素直に答えてくれた。

初めてなんだ、こんなに可愛い子なのに。

うん、やっぱり、初めて、と聞くとただ単純に嬉しい。

この時、俺はよっぽど嬉しそうな能天気な顔をしていたみたいだけど、このことをすぐに後悔することになる。

ピクッと彼女の手が少し震えた。

「・・・先輩、ごめんな・・・さい」

か細い声で、悲しそうな顔をした彼女を見てびっくりした。

え?なんだろ?どうしたんだろ。

「わ、私、先輩に話さなきゃって、ちゃんと。だけど、嫌われたらどうしよって」

え?なんだ?なんだか嫌な胸騒ぎがした。

なんで彼女が急にこんな泣きそうになってるんだろう。

唇を震わせ、頬を染めた彼女が小さい声で続ける。