「あいつ、ふざけてあんなことばかりするから本当まいるよー。けど全然そんなんじゃないから」

頭の後ろに手をやり軽く言い訳すると、彼女は眉間に皺をよせる。

「そうなんでしょうね。つばさ先輩にとっては大したことじゃないんでしょうね」

「・・・」

ゲッ、今の俺の態度、軽すぎた?

なにも、言えないで困っていると彼女が立ち上がり、庭の方へゆっくりと歩いていく。

シロとクロがキャンキャン吠えながら後をついていき、彼女が庭に出られる大きな窓を開ける。

「蒼井さん」

俺は慌てて立ち上がり追いかけた。

後ろから彼女の華奢な背中をギュッと抱きしめていた。

今日は、姉貴もうちにはいない。うちの両親はどちらも帰りが遅い。

こんなことをしたら、きっと気持ちが抑えられなくなるだろうけど、もうどうにでもなれと思った。

「ほんとにごめん」

「つばさ先輩どうして謝るの?先輩はいつも一方的に迫られてるだけで、モテるんだから仕方がないよ」