「ほんとに、またうちで良かった?」
俺のうちに来るなり、リビングでシロとクロを抱っこして遊んでいる彼女の隣に座った。
「うん、外だとゆっくりできないから。ここがいいんです」
目を合わせないで話す彼女は恥ずかしがっているのとは少し違うように感じた。
少し前から、元気が無いような気がしてて、ずっと心配だった。
それに追い打ちをかけるように、今日あんなことがあって、どうしたものかと考えあぐねていた。
「あの、蒼井さんさっきはごめん。お、怒ってる?」
「え?さっきって、桜さんのことですか?」
大きな瞳に上目遣いに見上げられて、ドキッとした。
やっぱり怒っているんだろうか。



