「いつもなら顔を見ただけで凄い嬉しそうにしてくれるのに、最近はちょっとなにか違うんだよな。なんか俺、まずいことしたのかな?」

なにが違うのか、はっきりとはわからないけど、なんとなく彼女の様子がおかしい気がした。

「ヤリすぎとか?大事な大会前なんだしちょっとは自重しろよ」

「ヤッてない」

机をバンと叩いて大声で岳に反論したら、周りの女子にクスクス笑われた。桜もこちらを見ている。

「あんな子相手に、お前よく我慢できるな、初めてお前のこと尊敬したわ」

尊敬したというわりに、クックっと面白そうに笑っている岳。

「お前なー、こっちは真面目に悩んでんだよ」

「お前ほんとに自分の悪いとこ気づいてないわけ?」