まだ、近づこうとする成田くんの顔を思い切り叩いた。

ベチッ

嫌な音がして、私の手もジンジンして痛かった。

「いってー」

成田くんは痛そうに顔をおさえている。

「ごめん、蒼井、俺、手が勝手に。どうしてもおさえらんなくて」

成田くんは、赤い顔をして目に涙をにじませている。

申し訳なさそうに肩を落として瞳をうるませている成田くんはさっきまでの彼とは別人みたいだった。

「嫌い、男の子なんてみんな」

震える声で言いながら、胸を隠した。

彼は力なく俯いていて、少ししょんぼりしているように見えた