「すずなちゃん、今日どうかした?元気ないね。先輩にエネルギーチャージしてもらいにいく?」

「あ、ありがと。沙織ちゃん大丈夫、大丈夫。先輩、スマホ持ち歩かないから、なかなか捕まらないしねー」

沙織ちゃんが朝から心配してくれているので、私は努めて明るく笑う。

朝から貧血のような症状で体がだるく感じていた。夢のことも、頭の中でぐるぐるまわっている。

「おーい、蒼井。さっき廊下で会った2年の男子が、おまえ呼んでくれって言われてさ」

時田くんが、険しい表情で私達のところへ来ると、頭がクラッとした。

あー、現実の世界にもいろいろ問題はあるんだよね。

過去ばかり、気にしていられない。

「俺ついていってやろうか?屋上に来てくれって呼び出してたけど、1人じゃ不安だろ?」

「ありがとう、時田くん、大丈夫だよ。1人でいけるから」

たまにこんな風に上級生から呼び出されるけど、要件はわかっていたから本当はゲンナリしていた。