ドクンッ

心臓が上から、押さえつけられたように圧迫されて、目を見開いた。

ああ、夢だ。さっきのは夢だったんだ。

起き上がり、息を整える。

汗がびっしょりかいている。

ハアハアッ ハアハアッ

枕元に置いているスマホをタップして画像を見ると、彼の写真が100枚以上あり、それを1枚ずつスライドしてみていく。

吸って、吐いて、大丈夫だよ。落ちついて。

大丈夫だよ

優しい彼の声を思い浮かべるだけで、幸せが満ちていく。

「よかった、夢で。こっちが現実だった」