クラスの男子がヘラっと笑いながら私の方へやってくる。

「H?それともI?」

いやらしい口調で聞いてくる男子と目が合わせられなくて俯いてしまう。

いつも、こう、毎日毎日飽きもせずこんなことばかり聞いてきて、なんにも答えられない私をみて喜んでいる。

男子って最低。不潔、キモい。大嫌い。

「もう、成田くんやめときなよー。すずなちゃん困ってるでしょ」

沙織ちゃんは、成田くんを軽くたしなめるけど、彼は全然聞く耳を持たない。

だけど、私は顔だけ赤くなっていって、手も少しだけ震える。

これだから、男子なんて。

デリカシーのかけらも無い成田くんのそばに居たくなくて、私は席を立ちその場から離れようとした。

この場から一刻も早く離れたい。