苦労してまで俺が脚立を運んで来た理由は、俺が目指しているのは屋上駐車場のさらに上。エスカレーターホールの屋上だからだ。

見晴らしだけなら屋上駐車場でも大差ないのだが一般の人でも入れる場所はゾンビでも入れる。

さらに上の脚立でしか上がれない所まで上がり、脚立を引き上げてしまえばゾンビどもに邪魔されないプライベート空間の出来上がりだ。

これで用地確保は完了。

だがしかし必要な物が揃っていない。探しに行かないとと思うとウンザリする。

ショッピングモールの中にもちらほらゾンビはいた。だが奴らは電池の切れかかったロボットのようにモタモタとしか動かないから余裕を持って回避してきた。

脚立を装備してからは脚立の重みと遠心力を使って薙ぎ払ったりもした。

中には若い女の娘のゾンビがいたりして、はだけた服から零れたおっぱいに興味をそそられたりもしたが、あんまり興味津々になりすぎるとゾンビとりがゾンビになってしまうので興味を無くしたフリをしたりもした。

まあここで一人でウンザリしていても何も事態は進展しない。

無い物はどっかのゲームの主人公のように近所の家を勝手に物色して拝借してくるとしよう。

再び俺はゾンビの徘徊するショッピングモールを出て自転車にまたがった。