アルコール度数の高い酒をストレートで飲んだ為に急激に酔いが回り出した頭で今までの長くも短くも無い人生を振り返えってみる。

思えばツマンネー人生だった。

普通である事に汲々として、周りと同じでないと怖かった。ただ他人の顔色をうかがい、必死に空気を読もうとしていた。そこに自分など無かった。

くだらん。

もし人生をやり直せるなら次は死ぬほどワガママに生きてやろう。炎上上等で言いたい事を言ってやろう。周りの目など一切気にせずやりたい事をやってやろう。ほんの少しでいいから上っ面だけじゃなく深く付き合える相手を作ろう。

酔った頭で考え事をしていて気付くと屋上駐車場の縁に立っていた。

ゾンビにかじられてヤツらの仲間入りするか、食料が無くなって餓え死にか渇き死にか。どちらにしろ俺に明るい未来はない。

ならば最期ぐらい自分の意思で翔んでやる。

酔った勢いってヤツなのか俺は柵によじ登り、後戻り出来ないほど全力で翔んだ。

一瞬の浮遊感の後自由落下。急速に墜ちてゆく。

そして……………





夢から目が覚めた。