『五月兄、もう天国に着いた?』
美桜「五月くん、そっちの生活はどうかな?もう苦しい思い、してない?」
『五月は兄妹の中で一番我慢強くて、頑張り屋だったな』
美桜「五月くんを見ていると、いつも元気を貰ったよ」
『俺は喘息を持って、生まれてきた、ずっと発作に悩まされていた、高2のある日、俺は肺炎になりかかったうえに、喘息の発作を起こして、救急車で病院へ運ばれた、2ヶ月入院していたある日、俺は不整脈が出ている事が分かって検査し、心臓病で心臓移植が必要だと言うことが分かった、五月兄には一番心配かけたよな、
ごめんな、でも、ありがと、五月兄が居たから、
今こうして俺は生きている』
美桜「私は生まれつき心臓病で学校には少ししかいけなくて、いつも寂しかった、居るのは年下の子ばかりだった、そんなとき、五月くんに出会った、どんな時だって傍に居てくれた、大好きなお兄ちゃんだった」
『五月兄には、感謝してもしきれない、
俺がここまで来れたのも、こうして美桜に出会ったのも、五月兄のおかげだ』
美桜「五月くん、蓮の事は私に任せてよ」
『五月・・・、いっぱい言いたい所あるのに、言えないなんてな・・、でも、一つだけ言わせてくれ、
俺は美桜を絶対幸せにする、不幸になんてしない、
五月兄に約束する』
美桜「私も五月兄に誓うよ」
[五月兄(くん)大好き!]
『五月兄、俺達、大学を卒業したら、結婚式をあげる予定なんだ、五月兄にも招待状出すから、絶対来てよね』
美桜「五月くんが来てくれるのを待ってるよ」
[五月兄(くん)俺達(私達)の兄貴(義兄)で居てくれて、ありがと!]
こうして無事に五月兄への別れの言葉が終った。
そして、お坊さんの長いお経のあと、式が終わり、
司会者の指示で、五月兄に花を一輪ずつ手向ける時がやって来た。
真希「蓮、美桜ちゃん、二人にはこれを五月の顔の回りに手向け欲しいの」
『これを?』
暁斗「この花は、エーデルワイス」
真咲「ヘリクリサム」
雷都「そして、五月兄が花の中で一番好きだった花、
シオン、花言葉は《君を忘れない》
桜「エーデルワイスの花言葉は、《大切な思い出》
雷都「ヘリクリサムの花言葉は、《永遠の思い出》」
真希「それを繋げると、五月のメッセージが見えてくる」
『え・・?』
真咲「大切な思い出がいつか永遠の思い出になるときがくるはず、その時、その思い出の中に俺が居たことを忘れないで欲しい」
『五月兄・・・、忘れるわけ・・ないじゃん・・!』
暁斗「蓮、美桜ちゃん、最後は二人が飾って、
蓋をしてあげよう」
[ああ!(うん!)]
暁斗兄に言われて俺達は五月兄の好きだった花を飾った。
それから暁斗兄に手伝ってもらって、俺と美桜、暁斗で
静かに蓋をした。
蓋をしたあと、いよいよ火葬場への出棺。
本来なら五月兄の親友達は此処でお別れになるけど、
俺達兄妹と美桜で両親を説得し、同行できるようにした。



