チケットを購入している間に


先程の彼女は姿を消していた。


足早に、ゲートを抜ける。


扉を開けるとすでに、照明は


落ち、予告編が流れる中を


携帯の灯りをかざして、


席番号を確認しながら、


やっとのことで、指定の席に


辿り着いた。


スクリーンをぼんやりと


眺めながら、本編が始まる


のを待つ間に、先程の彼女の


笑った横顔が脳裏をかすめ


頬が緩んだ。