「バッカじゃないの?」


「詩織、そこまで言わなくたっていいじゃん」


「だってさ、まだ籍入れたわけじゃないんだし、全然やり直せるのにさ、ウジウジ悩んでんだもん」


「でも、その日帰ったら、裕和は寝ないで待っててくれて、謝ってくれたから」


「へえ、じゃあ、年末年始はラブラブだったわけ?」


「そうでもないかな、お互いの実家へ行ったりしただけだし」


「恵、昴のこと好きなんでしょ?」


「・・・うん」


「なら、須川さんと別れなよ。


そんな気持ちのまま結婚なんて、あり得ないからね!」


「それはわかってるんだけどさ」


「わかってんなら言いなよ」


「だけどさ、お互いの両親にも話しちゃったし」


「親同士が結婚するわけじゃないじゃん」


「まあ、親は関係ないとしても、裕和に何て言ったらいいかと思って」


「結婚はやめよう、って言えばいいだけじゃん」


「簡単に言わないでよね・・・」


「先に荷物まとめてさ、実家へ送っちゃえば?」


「ふたりで暮らしてんのに、いつ荷物まとめんのよ」


「出勤するフリして、有休とるとか」


「あのさ、裕和も同じ勤務先ってこと、忘れてない?」


年末年始の休み明け、詩織とふたりで飲みに行き、私の愚痴を聞いてもらった。