世の中がクリスマス一色の12月。


私は環境の変化にとまどい、疲れきっていた。


裕和との生活は、想像以上に大変だった。


まずは、生活リズムが合わなかった。


裕和はかなりの夜型で、ふたり暮らしの初日に朝食を準備したら、


「悪い、俺、朝は食べないから」


飲まず食わずで身支度してた。


初日だから、前日から準備してたのに。


旅行の時は、私につきあって無理して食べてたってこと?


朝食の関係で時間も合わなくて、出社するのも別々だった。


まあ、周囲に気づかれるのもイヤだから、別々に出かけるのはいいとして。


よく、旅行とか行くと普段の様子がわかる、なんていうけど。


旅行ではわかんないこともあるんだな、って思った。


あとはとにかく、裕和は何かしたらやりっぱなしの人だった。


引き出しを開けたら開けっぱなし。


ハサミを使ったら出しっぱなし。


窓を開けたら開けっぱなし。


服は脱いだら脱ぎっぱなし。


私が同居してるのは、小学生男子なの?って思うほどだった。


最初は、何も言わず片づけていた。


詩織にチクったら、


「それはちょっとひどくない?


教育は最初が肝心なんだから、恵が黙ってやってあげたら、なんも変わらないよ。


須川さん、絶対に気づいてない。


イライラしながら言ったらケンカになるから、共働きなんだから協力して、ってかわいく言えば?」