裕和の実家へは、午後2時過ぎにおじゃました。
ものすごく緊張して、
「同じ会社に勤めております、す、杉森恵と申します。
よろしくお願いいたします」
自分の名前で噛みたおすという失敗からスタートした。
ご両親とも教師だとは聞いていたけど、まさかの大学教授だった。
「恵さんのご両親のお仕事は?」
「父は自営業で、母は専業主婦です」
「そうなの、どういった関係のお仕事なのかしら?」
「デザイン会社を経営しております」
「私たちとは真逆のことをなさってるわけだ。
私たちは法学部の教授なものでね」
「恵さんは、どちらの大学のご出身?」
「父さんも母さんも、尋問みたいなことすんなよ」
「尋問だなんて、そんなつもりないわよ。
最初が肝心だから、聞きたいことはうかがわないと。
お互い忙しくて、ゆっくりお話もできないでしょうし、ねえ?」
「お忙しいのにお時間つくっていただいて、申し訳ありません」
「恵と10月から二人暮らしして、来年には籍を入れようと思ってるから」
「裕和が東京に戻ったら、籍だけでも入れたらいいんじゃないの?」
「一度ふたりで暮らしてみて、お互いの生活リズムを確認したいんだよ」
「あら、じゃあ同棲してみて合わなかったらやめるってこと?」
ものすごく緊張して、
「同じ会社に勤めております、す、杉森恵と申します。
よろしくお願いいたします」
自分の名前で噛みたおすという失敗からスタートした。
ご両親とも教師だとは聞いていたけど、まさかの大学教授だった。
「恵さんのご両親のお仕事は?」
「父は自営業で、母は専業主婦です」
「そうなの、どういった関係のお仕事なのかしら?」
「デザイン会社を経営しております」
「私たちとは真逆のことをなさってるわけだ。
私たちは法学部の教授なものでね」
「恵さんは、どちらの大学のご出身?」
「父さんも母さんも、尋問みたいなことすんなよ」
「尋問だなんて、そんなつもりないわよ。
最初が肝心だから、聞きたいことはうかがわないと。
お互い忙しくて、ゆっくりお話もできないでしょうし、ねえ?」
「お忙しいのにお時間つくっていただいて、申し訳ありません」
「恵と10月から二人暮らしして、来年には籍を入れようと思ってるから」
「裕和が東京に戻ったら、籍だけでも入れたらいいんじゃないの?」
「一度ふたりで暮らしてみて、お互いの生活リズムを確認したいんだよ」
「あら、じゃあ同棲してみて合わなかったらやめるってこと?」