そして、初めてのお盆休み。


みんなそれぞれ実家へ帰り、短くてあわただしい休みを過ごした。


私は、両親と弟と4人で食事をしたり、地元の友達と飲んだり、スッピンのままひたすらゴロゴロしたりしてた。


東京駅でお土産を買い、新幹線に乗って寮へ戻ったのはお盆休み最終日だった。


寮へ向かうバスを待っていたら、後ろからヒザカックンされた。


「痛っ、って誰?」


振り向いたら、昴がそっぽを向いて立っていた。


「ちょっと、ひどいじゃん昴!」


「なんのことか、わからへんなー」


「あっそ、昴にはお土産渡さないからね!」


「えっ、なんかくれるん?」


「今あげないって言ったばっかじゃん」


「あっ、俺もメグに買ってきたで」


昴が私にくれた小さな紙袋を開けてみると、そこには「良縁」と刺繍がしてある御守りが入っていた。


「これって、もしかして・・・」


「縁結びの御守りや」


「なんでこのチョイス?」


「いやー、地元のダチと神社の祭りに行ったら売ってて、メグ思い出して、つい」


「つい、ってさ、もっといいものあるじゃん!」


「なんや、いらへんのか?」


「・・・いちお、もらっとく」