4人で駅ナカの海鮮丼を食べて、解散した。


会話もとぎれず、楽しかったけど。


昴は、少し顔が暗かった。


お店を出て、私たちとは反対方向へ歩いていく昴たちと別れた。


振り返って二人を探すと、昴は愛ちゃんのキャリーバッグを引きながら歩き、愛ちゃんは昴に腕をからめていた。


当たり前か、恋人同士なんだから。


昴の部屋で、今晩、愛ちゃんと過ごすのか。


・・・なに考えてんだ、私。


「恵、なにやってんだ?」


「あ、ごめんごめん」


「相変わらず、仲いいんだな」


「だね、昴と愛ちゃんも長いもんね」


「違うよ、恵と浦野だよ」


「へ?」


「ちょっと、妬いた」


「なにそれ、変なの」


私たちは、お互い東京に実家があるから、昴たちみたいに二人で一晩過ごせない。


「なあ、明日と明後日なんだけど、あけてくれてるよな?」


4月中旬頃、5/4と5/5をあけといて、って連絡があった。


「うん、平気だけど」


「行きたいとこあるんだ。


泊まりになるけど、いいか?」


「いいけど、どこ行くの?」


「ちょっとな。


一泊できる準備しといて」


なんだろう。


珍しいな、裕和が旅行に誘うなんて。


「車で行くの?」


「ああ、でもそんな遠出じゃないから安心しろ」