昴とつきあい始めて、週末は昴の部屋で過ごすようになった。


平日はお互い仕事で忙しいし。


母親に昴とつきあっていることを話したら、


「もしかして、その人が原因で裕和さんと別れたの?」


とか、さんざん愚痴られたけど。


30歳過ぎた娘に彼氏がいないよりマシだと思ったのか、あきらめたのか、何も言わなくなった。


順調だった毎日に波風がたち始めたのは、4月に研修を終えた社員が配属された頃だった。


昴の部署には女子社員が、私の部署には男子社員がきた。


その女子が昴にかわいい声で甘えているのを目にするたびに、なんとも言えない気分になった。


佐久間先輩にも、


「杉森、顔が怖い」


と、何度も指摘された。


昴は私とつきあってるんだから、こんなことでぐらついたりしないんだから。


私と一緒に仕事している男子社員は、爽やかなイケメンで、配属早々女子社員の注目を浴びていた。


昴は、私がその男子社員と何かと一緒にいるのが気に入らないのか、


「なあ、メグはなんでいっつもアイツとおるん?」


と、週末のたびに愚痴られた。


ギクシャクした私たちは、ある日ついに大ゲンカしてしまった。