そして3月末、私たち3人は離ればなれになった。


もちろん、ゴールデンウィークやお盆休みや年末年始には、名古屋で会ったり、詩織が大阪に来たり、昴と私が横浜へ行ったりした。


グループラインは毎日のようにしていたし、会えないぶん頻繁に連絡をとっていた。


そんな生活が1年くらい続き、また辞令の出る時期を迎えた。


3人とも本社勤務を希望していたけど、現状維持だった。


つまり、もう1年がんばれ、ってことか。


そして、入社3年目の春、それぞれに新しい出会いがあった。


詩織は、出向先のデパート社員のバイヤーとつきあうようになり。


昴は、後輩女子に告白されてつきあうようになり。


私は、直属の上司の須川裕和(すがわひろかず)さんとつきあっていた。


ゴールデンウィークは、予定が合わなかった。


でも、お盆休みに詩織が大阪へ来てくれて、久しぶりに3人で会えた。


詩織が新幹線で来るのを出迎えようということになり、昴と新大阪駅の改札口で待ち合わせた。