ぺらぺらぺらぺら。父の大演説は止まらない。仕事を奪われ、手持ちぶさたな世話人は父にジト目を送っている。そして純金より輝かしいとも思われる東条の経歴を一通り語り終えた父は、ぜえぜえと肩を上下に揺らしながら、期待を込めた眼差しを純花に向ける。

「……で、彼は純花と高校の同級生だったらしいのだが覚えていないか」