常盤の娘

時刻が零時を回ったところで、店主がわざわざ声をかけてきた。
「お前、その制服からして、そこの私立高校の生徒だろ。こんな時間だし、それにこんな天気だ。親御さん、心配してるんじゃねぇか」
こういうのが嫌だから、客に無関心そうなチェーン店を選んだっつうのに。東条はうんざりしながら顔を上げた。
「……この店は、25時まで営業すると思ったんですけど」
「店閉めるから出てけって言ってんじゃねぇ。単純に心配してるんだ」
「……」
「家出か」
「……」
「馬鹿だな」
「……家出じゃない。人を待っているんです」