さすが斉藤君
予備のスーツ一式用意してるあたり抜かりない

シャワーからキッチンに戻ってきた頃には
会社仕様の斉藤君が出来ていた

簡単な朝食を食べたら
私がシャワーに行き
啓太が片付けをしてくれる

なんだこれイケメンか…イケメンだったと
恒例の脳内ツッコミをしつつ
シャワーを浴びる

当然のように車で一緒に出勤になるけど
早めの出勤のせいか誰かに見られることも
なかった
見つかったとしても、雨の日とかには
駅でよくピックアップしてもらっていたので
珍しい風景ではなかったりする

あれ…そうかこれもわざわざ待っててくれたのかと
今さらながら、嬉しくなってにやりとしてしまう

「何か嬉しいことでもあった?」

「うん、思い出し笑いかな
啓太がいつも隣にいたことに気づいたとこ」

「それはそうでしょう
あなたの補佐ですから」

「そうね
いつもありがとう 斉藤くん
終わったら戻ってきてね
いってらっしゃい」

「もちろん 行ってきます」とオフィスモードで颯爽と歩いて行く斉藤くんを見送った