まあ、会社でいちゃいちゃする気はないから
釘は刺すけど

「ガードの取れた啓太は誰にも見せたくないから
わたしの前だけね」

「もちろん 莉子のこんな顔を他のやつに
見せるとか殺意しかわかない」

う…うん そんなにヤバい顔してんのかって
思っちゃいけないし
殺意…とかね…ほんとヤメテネ

「ずっとこうしててもいいけど
シャワーくらいは入りたいだろうから
行っておいで」

「ありがとう
じゃあ行かせてもらおうかな」

もう一度振り向きざまに触れるだけのキスをして
シャワーを浴びに浴室へ向かった



シャワーを手早く済ませて
リビングに戻ると啓太は操作していたタブレットから
顔をあげて、ふんわり笑ってくれる

うん、イケメンか…
事実だ

そのままキッチンに行って
ルイボスティーを入れて持ってきてくれると
わたしが手にしてたドライヤーを取って
乾かしてくれる…なんだこれ
うん、妙齢女子の夢を詰め込んだイケメンだ

仕上げにふわっと後ろから抱きしめて
頬にチュってして
ついでに口にも若干長めにチュってして
立ち上がり

「俺もシャワー借りるから
それ飲んであったまって」

「うん、ありがとう」

辛うじて、普通に答えた気でいるけど
顔はシャワーのせいか啓太のせいか
赤い気がする

満足げに頷いて、浴室に向かう啓太を見送った