「茉那が好きになってくれたときのままの自分でいたかった」

「………」

「もっと素直になればいいのに、茉那が好きになったのは余裕ぶってる俺だったから…」

「……だったから？」

「感情のまま求めるのは格好悪いと思ってた」

「なによ…それ」

「……自信なかったんだよ、素の自分」



茉那は、司の胸の中で、くるりと向きを変えて見上げた。



「かっこわる」


「…うん…こんな俺でも、いい？」


茉那は司の腰に腕をまわして、顔をうずめた。


「司がいい…そのままの司がいい」


二人は強く抱きしめ合った。


また茉那が見上げると、司は少し強引に唇を重ねた。


「んふっ…んんっ…」

「ごめ」

「謝らないで…」

「うん」

「もっと…して…」



二人が一つになるとき、司は嫉妬にも似た感情を剥き出しにして、激しく茉那を求めた。


茉那は、やっと本当に一つになれた気がして、嬉しくてたまらなかった。





end