カイは女王に気づかれないようにシーラを馬車の中に入れた。

シーラはハーブを持っていった。ものは出来るだけ最小限のものだけにした。

カイはシーラに声をかけた。

「シーラ王女、これからジェーム国へと向かいます。」

「はい。」と返事をした。

侍女のスーに話しかけた。

「スー、付いてきてくれてよかったわ。ありがとう。」

スーは微笑んだ。

しばらくすると森だった景色が変わった。
不思議に思ったシーラはカイに聞いた。

「カイ様、ここはどこですか?」

「ジェーム国へつながる道です。」

「そうなのですね。私は17年間一度も自国から外へ出たことがないから、知らないのです。」

「どうして17年間も?」

「分かりません。どうしてなのか。母は肝心なことをいつも話してくれないから。」

カイはシーラの中にある悲しみを感じた。
そうこうしている間に夜になった。

カイが「夜遅いのでおやすみ下さい。」と言った。

シーラは寝付けなかったが、明日のことを考え、眠りについた。