別にそんなに難しいことをしたわけじゃない




まぁ、ひとつ言うと灰原さんの薬は未完成だからか穴が多かったのよね




笑愛「未完成の、しかも穴だらけの薬を安全面に考慮してやり直しただけですよ」




灰原さんは自分の薬に穴があるとは思わなかったようで首を傾げていた




哀「穴?そんなものあったかしら?」




まぁ、穴があるかどうかは自分では判断しずらいものよねぇ




笑愛「えぇ、アポトーシスとパリトキシン、バトラコトキシン、クロロトキシンを使う発想は確かに凄いと思いましたが、そこにテロメラーゼ活性と、マイトトキシンを加えたのは間違いですよね



マイトトキシンは筋肉を収縮するもの、そんなものを入れればどこかであなたや江戸川さんみたいな人間が出ることは予想できたはずです



それにテロメラーゼ活性をなぜ加えたのかそれが1番意味がわかりません


細胞を増殖させるものをなぜ加えたんですか?


毒薬を作るならその2つは意味が無いと思いますが」



そう言うと灰原さんは少しの間沈黙し、やがてポツポツと話し始めた




哀「......そうね、あなたの言う通りだわ


ただ、ひとつ違うのは私は毒薬を作りたかったわけじゃないのよ


両親が残した不老不死の薬を完成させたかった


でも、その最中でC129H223N3O54であるパリトキシン、C164H256O68S2Na2のマイトトキシンが精製されてしまった


それを彼らに利用されたの



でも完成させてくれてありがとう



そのおかげで元に戻れる薬が作れるんだもの



早速作ってきても...?」




持ってるけど...?




笑愛「元に戻る薬ならここにありますよ?


一応試作段階ですが作っていたんですよ



配合も順番もそのプログラム通りなのでそれが正しいのであればこれでお二人の体も元に戻ると思いますが...」