有希子「.........それがあなたが証人保護プログラムを受けたくない、という最大の理由なのかしら?」



そうね、そうかもしれない



笑愛「私みたいな子供達が死より望んだものが一つだけあるんです


なんだと思いますか?」



あの地獄の中で私たちはその願いを頭の中に常にインプットしていた



地獄から解放される死よりも私たちが望んでいたもの




誰もわからないみたい、そりゃそうよね




みんなは当たり前に持っているものなんだもの




笑愛「家族ですよ


私たちは生まれた時からあそこにいるから親の顔なんて知らないんです


誰かに愛されたことも無い


そんなみんなが死ぬ前に一言だけ言うんです


“1度でいいから親に会いたかった、親に愛されたかった”って


さっき思ったことを素直に言いますね



上手くは言えませんけど多分嬉しかったんです



親がいない私を娘にするって言ってもらえたことが


死にたい、その思いは今も私の頭にあります


でも、死ぬ前に普通の人間が当たり前に親にしてもらえることを受けたい、とも思って、いる、ん、です」


私の記憶はそこで途切れた