その場の空気が一気に固まった



みんながやばい、という顔をしている




ゆきこ「ってことは...それってつまり...」




そうだねぇ



笑愛「見つかれば確実に犯罪者になるでしょうね


まぁ、でもひとつ言わせて頂くと人を殺すことに躊躇なんてものを持ち合わせてはいませんが、人を殺したい、とは微塵も思ってませんけどね」



でも、人は時として意思とは裏腹に行動する



人を殺したくない、と思うことと人を殺すことに躊躇がないのは意味が違うからね




優作「でもね、笑愛。それなら尚更君は見つかるべきではない


だから証人保護プログラムを受けてくれないか?」




まぁ、確かに一般人からしたら殺すことに躊躇がない人間なんて恐怖でしかないものね




それにもう1つ受けたくない理由が私にはあるのよ



笑愛「じゃあお二人は嘘をついたってことですよね」



この意味がわかっていないのは恐らく有希子さんだけ



有希子「どういう事?私たちがなんの嘘をついたって言うの?」



笑愛「さっき言ったじゃないですか?


私の養女になりなさいって


私もこの家に住むから4人で暮らしましょうって


証人保護プログラムを日本で住んでいながら受ける、なんて出来るわけないじゃないですか



ってことはお二人は私に嘘をついたってことですよね


一緒になんて過ごせるわけないのに暮らしましょうなんて



そんな残酷なうそはつかないで欲しかったです」