「王子…?」
「王子って呼ぶなよ…」
「……でも、他の人はみんな王子って…」
「他の人がそうでも、キミは、呼ぶなよ!」
確かに以前、名前で呼ぶように言われたことがあった。
だから機嫌が悪かったんだろうか?
それが、勘違いなのだろうか?
「……アーサー?」
一瞬、彼が息を飲んだのが、わかった。
突然、空気が変わる。
車内を淡く照らしていた月明かりさえ、その月色を変えた気がした。
金髪が光の粒をのせて白くきらめく。
青い瞳は、鋭く細められた分だけ濃紺を帯びて、昼間とは違う灯を、その瞳の奥に宿していることに、
私は、
ここにきて、
ようやく、気付いたのだ。
「結衣…、I love you……」
“月がキレイ”
先週、彼が私に告げた言葉の本当の意味を……
「王子って呼ぶなよ…」
「……でも、他の人はみんな王子って…」
「他の人がそうでも、キミは、呼ぶなよ!」
確かに以前、名前で呼ぶように言われたことがあった。
だから機嫌が悪かったんだろうか?
それが、勘違いなのだろうか?
「……アーサー?」
一瞬、彼が息を飲んだのが、わかった。
突然、空気が変わる。
車内を淡く照らしていた月明かりさえ、その月色を変えた気がした。
金髪が光の粒をのせて白くきらめく。
青い瞳は、鋭く細められた分だけ濃紺を帯びて、昼間とは違う灯を、その瞳の奥に宿していることに、
私は、
ここにきて、
ようやく、気付いたのだ。
「結衣…、I love you……」
“月がキレイ”
先週、彼が私に告げた言葉の本当の意味を……


