「そうか……あの二人の片割れを」

神は大きくため息を吐き出した。

「ええ。恐らく、片割れが止めを指したかと」

「だろうね。あーあ、お前ら甘いんだよ。お前らが止めを指さなきゃ意味ないの」

ロストの報告に、サーラが不満げに言う。

「なぜです?」

「知らないのかい? あの二人は忌々しい契約を結んでるんだよ。大方、俺の父さんを狙って、どっかの馬鹿みたいな神が創り出した天使なんだろうけどさ」

「……それで?」

「どっちかがどっちかの止めを指したら、殺された方の魔力は、殺した方に行くんだよ」

「左様でしたか」